【中村丁次がゆく 栄養と食事の世界】被災地での食事と栄養

9月1日防災の日を前に、「被災地での食事支援において、栄養をどう考えるか」を、被災現場で活動する二名と、中村丁次先生が議論しました。
一人目は、NPO法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク JVOAD(以下、JVOAD)事務局長の明城徹也氏です。二人目は、日本栄養士会専務理事で、日本栄養士会災害支援チームJDA-DAT(以下、JDA-DAT)を総括する下浦佳之氏です。両者とも、東日本大震災の被災地での支援において生じた問題を解決するためにできた組織で、東日本大震災後に日本国内で起きた災害時に、被災地での活動を続けています。「被災地で“食べる”ことは後回しになっていると感じている」というのは下浦氏。明城氏も「被災地での食事の支援は十分行われているとはいえないのが現状」と語ります。
近年、日本国内では、自然災害等が激甚化・頻発化しており(国土交通白書2021より)、中村先生は「いつだれが被災してもおかしくない。大事なのは、自立して自分で災害を乗り越える教育をしていくこと。炊き出しとか弁当とか、緊急時の対応だけを考えてしまいがちだが、その先も考えていかなければならない」と考えています。

被災地での食事と栄養①【中村丁次×明城徹也】

東日本大震災では、何百、何千もの被災地を支援する団体や個人が被災地に入り、活動しました。支援のニーズはありながらも、それらを調整したり、俯瞰的に見ることがなかったため、現地では、「もっと大変なところがあるのではないか?」「物資が届いていないところがあるのではないか?」などの声がありました。
現場のニーズに合わせた支援をするために「JVOADがどのような活動をしているのか」に迫ります。

被災地での食事と栄養②【中村丁次×明城徹也】

食事に関する支援は、①食材(食べ物)の提供、②炊き出しや調理したものを提供する、③調理できる環境を提供する、の三つに分けられます。これら、それぞれに対して支援する団体はいますが、被災してから、どのタイミングで、どんな支援をしたらよいかを判断する役割が必要です。管理栄養士や栄養士のスキルが必要とされていること、そして、災害時の食事にどのように備えればよいかを明城氏が指南します。

被災地での食事と栄養③【中村丁次×下浦佳之】

JDA-DATは、活動時に「JDA-DAT号(緊急災害支援車両)」を活用しています。災害時には、健康で一般の人は食料が届いたり、弁当が届いたり、いろいろな食事が提供されます。一方で、子供や高齢者や障がい者などの要配慮者には、それぞれに合った食事が必要になります。JDA-DATは、要配慮者への食事を支援していますが、JDA-DAT号は、そのために必要な機能が備えられています。JDA-DAT号が登場し、その全貌を下浦氏が紹介します。

被災地での食事と栄養④【中村丁次×下浦佳之】

JDA-DATは、被災地の現地での支援に加え、被災地以外の場所からの「後方支援」も行っています。
管理栄養士・栄養士同士の連携、そして他職種との連携によって、より支援を充実させることができるのではないか、と下浦氏は考えています。
JDA-DATのこれからを、中村先生と下浦氏が議論します。

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中村丁次

公益社団法人日本栄養士会会長。神奈川県立保健福祉大学学長。
徳島大学医学部栄養学科卒業後、聖マリアンナ医科大学病院に勤務。その後、東京大学医学部より医学博士取得。神奈川県立保健福祉大学教授・栄養学科長を経て、2011年より学長。「欧米の科学と日本の食文化を融合した戦後の栄養政策と食事のあり方(=ジャパン・ニュートリション)」を高く評価し、それを世界に広めることが、持続可能な地球環境につながると提唱している。『中村丁次が紐解くジャパン・ニュートリション』(第一出版)他、著書多数。